見える事例検討会

 2年3か月ぶりに見え検をヒルサイドクリニックで開催しました。今回は八森先生と坂本さんの大御所がファシリテーターをしてくれました。久しぶりにお会いする方もいましたが、みなさん活発に議論していました。 

 今回の事例は、本人と主介護者のケアプランに対する意見が異なり、本人の希望が通りにくいという問題です。本人は認知症を患っており、食事を制限しないと、食べ過ぎる、大量に失禁する、生活習慣病が悪化するなどの困りごとがありそうです。主介護者の娘は、甘えさせたくないと食事を1日1食に制限して、本人の体重を27kgまで落としています(身長140㎝)。そこで、本人の希望はショートステイを増やして食事をたくさん食べたいのですが、娘は頑なに許可しません。議論の中では、娘の虐待と判断して、区役所の介入を求めるべきだという意見が強かったと思います。しかし、娘は介護サービスを完全に拒否しているのではなく、週2回ずつのデイサービスや訪問介護を許可しています。娘の行為が虐待に当たるかどうかはグレーですが、娘は虐待をしたいのではなく、本人への歪んだ愛情のせいで、介護サービスを利用する上での目標を周囲と共有しにくくなっているように感じます。娘の心配事を吐露してもらい、それを周囲が共感して、具体的な目標をみんなで共有するという方法もあるのではないでしょうか?

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